2007/10/29 A hard day'night

 異様な光景である。夕陽が差し込む荒れ果てたアパートの一室、ゴミの中に埋もれるようにして、4人の男と1匹の猫が、死んだように眠っている。
 本日も事情により、撮影スケジュールを変更。計5シーンを一挙に撮ることとする。クランクイン3日目にして、いきなりクライマックスの撮影である。想定外である。誰よりも、主演のシブがしんどい思いをすることになるが、快く応じてくれる。
 早朝から3シーンを撮り上げ、遅い昼食を終えると、夕方からのナイトシーンに備え、仮眠をとることにした。といっても、私たちの住むアパートは、今回の撮影のメインの舞台でもあり、酒瓶や空缶がごろごろ転がるゴミ部屋に作り変えられている。生活空間も撮影器材やら何やらで、ゴミ部屋と大して変わらないあり様だ。そのゴミやら機材やらのわずかの隙間を縫うようにして、シブ、私、相棒、ドイちゃんの4人と猫のカズオが、疲れ果てて熟睡している。死屍累々、戦場である(もっとも、ここまで我々が疲弊しているのは、連夜の酒宴のせいでもある。自業自得ではあるのだ…)。
 ナイトシーンは演技的にはとても難しい箇所で、相当に時間がかかると覚悟していたのだが、シブが難なくこなす。熱演である。順調に撮影終了。
 でもって、とっとと「お疲れちゃーん」と解散すればいいものを、またもや酒宴である…。私の胸には、大きな山を越えたという、小さな安堵感が広がっていたが。