2007/11/04 Sunday morning

 私たちの住まいについて、少々誇張して「ボロアパート」呼ばわりしているが、実際はそれほどでもない。初めて訪れる人は決まって、「期待を裏切られた」というように、「普通じゃないか」とつぶやく。それに最新式マンションにも劣らぬ設備もある。オートロックドアである。ただしこちらのオートロック、防犯上の理由から設置されているとか、ハイテク機能を満載しているとか、そういうことではなく、ドアのノブが微妙に歪んでいるという、極めてシンプルな原理によっている。かかるのも、せいぜい10回に1回くらいのものだ。
 でもって、ひどい目にあったという話。朝からアパートの通路で、夜の撮影に備えてカメラ位置などを確認していたのだが、鍵を持って出ていなかったので、締め出されてしまった。間抜けである。慌てることなく、呼び鈴を鳴らすと、寝ぼけ眼の相棒とドイちゃんが奥の部屋から出てきた。窓からゼスチャーでドアを開けるようお願いする私。しかし、二人はなぜかすぐに戻ってしまった。ドアを何度も激しく叩くのだが反応がない。後で聞いたところによると、私が外でドアのノック音、呼び鈴を録音をしているものと勘違いして、奥の部屋で息を潜めていたとのことである。ジャージ姿でドアを叩き続けること約1時間、体は冷え切り、隣人には変な目で見られて…。
 何とも幸先の悪い日曜日の朝だが、気分を取り直そう。空は青く、風も弱い、絶好のロケ日和だ。昼から前日はお疲れ様のFさんの屋外シーン。「F、お前うまくなったなあ・・・」とファインダー越しにつぶやく相棒。
 夕方から「スナック さくせす」で撮影。ママにはいつも快く場所を提供してもらっている。そればかりか、差し入れまでしていただいた。ただただ感謝である。
 撮るのはTさんのシーン。中日ファンのTさん、本日予定されていた日本シリーズ第七戦のチケットを入手していたのだが、結果はドラゴンズが名古屋で日本一を決めてしまった。それでもTさんはご満悦。しかし、北海道で中日ファンとは珍しい。
 相棒が聞く。「ところで、Tさん、何で中日ファンなんですか?」。しばし考え込むTさん。「何でだろうな・・・?日ハムが勝っても、それはそれでうれしかったんだけどな」。そんなTさんの天真爛漫な人柄を、皆が慕っている。
 夜はアパートに戻り、シブ、Uさんとアクションシーン。二人とも勘がよく、思ったよりも早く撮り終る。
 撮影終了後、Cさんが合流。前夜の大阪風たこ焼きの返礼として、ドイちゃんのリクエストに応え、北海道名物ちゃんちゃん焼きを作ってくれた。絶品である。
 夜も大分更けた。何時頃だろう、シブが言う。「俺、今夜ここに泊まるからな」。既にここの住人である。