新千歳空港から出るとあいにくの冷たい雨である。傘は持って来ていない。滅入る……。
札幌行きの高速バスに乗り、しばらくするとうまい具合に雨は止んでくれた。雨雲の間からいい具合に夕焼けが見える。ぼんやり窓の外を眺めていると、高速に入るころだろうか、木々の間、控えめな紅葉が目に入った。
そう、北海道はもう紅葉の季節だったのだ。
で、少し奇異な感覚に捕らわれる。ちょうど去年の今頃もこちらにいたはずなのに、紅葉を見た記憶はまったくない――映画の撮影準備で一番バタバタ、ピリピリしていた時期だったので、秋を眺める余裕などなかったのだろう、きっと。
ICCに来てみると、私たちの部屋の窓のちょうどまん前、公園のカエデが一本、紅葉している。いい感じである。私がこちらを発つころには、すっかり葉を落としていることだろう。で、東京に戻れば、もう一度紅葉が楽しめるはずだ。
春とはちょうど逆である。